GDA タグ集合は、 目的に応じてさまざまな詳細度でアノテーションができるように設計されている。 この手引きでは、日本語の文書に対するアノテーションの詳細度のいくつかの選択肢について説明する。 さしあたり、標準的な詳細度は下記のレベル 4 とする。
形態素解析済みのデータを修正する場合、形態素タグに間違いがあったら可能な限り修正する。 修正できなければ cmt 属性としてコメントを付ける。 たとえば、読みは適切なレベルに付ける。 たとえば「一日」が「一」と「日」という 2 つのエレメントに分かれているときには「一日」に prn="ツイタチ" を付ける (「一日」がエレメントになっていなければエレメントにする)。
<np> <persnamep>健</persnamep> と <np>私の友達</np> </np>下の例では、「おじいさんは山へ柴刈りに」の後に「行きました」の空所がある (「行きました」が省略されている) ので、 「おじいさんは山へ柴刈りに」を <vp> エレメントにする。
<su> <vp>おじいさんは山へ柴刈りに</vp> <vp>おばあさんは川へ洗濯に行きました</vp>。 </su>
たとえば、「太郎が花子に頭を殴られた」では、 「太郎が」と「花子に」と「頭を」が文節「殴られた」に係る (「太郎が」と「花子に」は「れ」に係り、「頭を」は「殴ら」に係る) ので、「太郎が」と「花子に」と「頭を」を <adp> エレメントにする。
<su> <adp><persnamep>太郎</persnamep>が</adp> <adp><persnamep>花子</persnamep>に</adp> <adp>頭を</adp> 殴られた </su>また、「そんなことは私はないと思う」では「そんな」が「こと」に係り、 「そんなことは」が「ない」に係り、 「私は」と「ないと」が「思う」に係るので、 下のように「そんな」と「そんなことは」と「私は」と「ないと」を <adp> エレメントにする
<su> <adp><adp>そんな</adp>ことは</adp> <adp>私は</adp> <adp>ないと</adp> 思う </su>このアノテーションだと「そんなことは」が「思う」に係るように見えるが、 この場合には実はレベル 3 で述べる dep 属性が省略されていると考える。
また、「失語症 (aphasia)」の場合、「(aphasia)」を <np> エレメントにし、さらに「失語症 (aphasia)」を <n> あるいは <np> エレメントにする。
<np> 失語症 <np>(aphasia)</np> </np>「渡したんだ、太郎に」では「太郎に」が「渡し」に係るので、下のようにする。
<su> 渡したんだ、 <adp><persnamep>太郎</persnamep>に</adp>。 </su>ここでも dep 属性が省略されていると考える。
<su> 太郎が <vp>頭を殴ら</vp> れた </su>また、係助詞の「は」や「こそ」が述部の最後に係ることに注意。 たとえば「私は金を払わなかった」の「私は」は「た」に係るので下のようにする。
<su> 私は <vp>金を払わなかっ</vp> た </su>交差する依存関係等はこの段階ではまだ明示されない。 たとえば「そんなことは私はないと思う」は次のようになる (「そんなことは」が「ない」に係ることを明示する作業は下記ステップ 3 の a で行なう)。
<su> そんなことは私は <adp>ないと</adp> 思う </su>
<np>失語症<np>(aphasia)</np></np>また、「渡したんだ、太郎に」では「太郎に」が「渡し」に係るので、 下のようにする (「太郎に」が「渡し」に係ることを明示する作業は下記ステップ 3 の b で行なう)。
<su> 渡したんだ、 <adp><persnamep>太郎</persnamep>に</adp> </su>
<su> <adp>私は</adp> <np>カモメ</np> </su>

<su syn="f"> <adp syn="f" dep="X">そんなことは</adp> 私は <adp><aj id="X">ない</aj>と</adp> 思う </su>
<su syn="f"> <vp id="X">渡し</vp> たんだ、 <adp dep="X"><persnamep>太郎</persnamep>に</adp> </su>
<su syn="f"><np syn="f" id="F">赤い花</np>を買ってきた。</su> <su syn="f"><np syn="f" eq="F">その花</np>は高かった。</su>ただし、最大投射の指示対象よりも抽象的・一般的な指示対象を扱う場合には、 最大投射でないエレメントに属性を付ける。 たとえば下記は、第2文の「花」は「赤い花」よりも一般的な概念を表わす。
<su syn="f">赤い<np id="F">花</np>を買ってきた。</su> <su syn="f"><np eq="F">花</np>が好きだから。</su>